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揚げ物に最適なエクストラバージンオリーブオイル

エクストラバージンオリーブオイル~揚げ物論争

エクストラバージンオイルで揚げる

 

 「エクストラバージンオリーブオイルはサラダなどの生食用で、揚げ物などの加熱調理には合わないのじゃないの?」とマルシェなどの対面販売をしていて問われる時は「いえいえ、加熱調理にもエクストラバージンオリーブオイルは最善の選択です」と答えるようにしています。

 この「エクストラバージンオリーブオイル揚げ物論争?」は日本だけではなく、オリーブオイルが食生活に浸透している欧州の国々以外では結構熱くなってきているようです。おそらく、肥満や生活習慣病への注目度が増して、健康への意識が強くなったからなのでしょう。最近ではアメリカ農業省(USDA)もDeep Fry(揚げ物)にはエクストラバージンオリーブオイルも適していると言う報告書があがっているようです。この背景には、アメリカなどでは油に関してトランス脂肪酸摂取が動脈硬化、心疾患、アレルギー、認知機能の低下に影響があると懸念され、トランス脂肪酸の使用を制限若しくは禁止する動きがあり、油脂の摂取が健康に重大な影響を及ぼすと考えられるようになったからではないかと思います。

 

何故エクストラバージンオリーブオイルは過熱に不向きだと思われているのか

 

 エクストラバージンオリーブオイルが過熱に適していないと思われがちな理由として、発煙点が低いとの思い込みがあるのではないかと考えます。実際、アメリカでも、発煙点が指摘されています。

発煙点は油の成分が分解されて煙が発生するわけですので、それが油の酸化を意味しているところでもあるのでしょう。揚げ物料理で良く使用されるキャノーラ油の発煙点は約205℃と言われており、それが故に揚げ物に適していると思われています。オリーブオイルの一般的な発煙点は176℃~190℃(350°F~370°F)と言われていますが、良質なエクストラバージンオリーブオイルは210℃(410°F)と高い発煙点です。揚げ物の適正温度は食材によって多少の差がありますが、低温で揚げる方が美味しい根菜などは160℃前後、トンカツやポテトフライなどカラッと揚げたい食材は170℃~180℃、魚などの水分が多いモノは200℃前後と言われています。この温度の観点からでは、エクストラバージンオリーブオイルは十分に揚げ物に適しているとなるわけですが…

 さてここでちょっと道をそれて酸化の話をしましょう。酸化は脂肪酸に酸素などが結合して発生・進行します。油の温度が上昇すると油成分が分解され酸化しやすくなります。食用油を大きく分類すると「一価不飽和脂肪酸」「多価不飽和脂肪酸」「飽和脂肪酸」に分類できますが、酸化安定度の観点から見ますと飽和脂肪酸は結合する「手」が無いので酸化しにくいです。しかし、飽和脂肪酸はそのものが中性脂肪として蓄積されますので、過剰摂取は非常に危険です。「一価不飽和脂肪酸」と「多価不飽和脂肪酸」の違いは、一価不飽和脂肪酸が炭素数18に対して二重結合が1(n-9で結合)で酸化結合の「手」が1個のもの。ω-9もしくはn-9脂肪酸と言われ、オリーブオイルの主成分オレイン酸が有名です。多価不飽和脂肪酸は、炭素数18に対して二重結合が複数あるもので、リノール酸はn-6系(ω6)で炭素18に対して二重結合が2、α-リノレン酸は、炭素数18に対して二重結合が3あります。構造から考えて、多価不飽和脂肪酸は酸化する「手」が多く酸化に弱いと言えます。エクストラバージンオリーブオイルは、一価不飽和脂肪酸であるオレイン酸が主成分ですので、酸化する「手」が少ないのです。

 

エクストラバージンオリーブオイルは揚げ物に最適だ~

 

 揚げ物の温度、発煙点、酸化の仕組み、油の構造からエクストラバージンオリーブオイルは揚げ物に適している事は理解できたと思います。

発煙点や化学的特性からだけではなく、エクストラバージンオリーブオイルは衣に含まれる水分を素早く飛ばす特徴や食材の表面に付着して食材の中まで浸透しにくいと言われており、この辺も「カラッと油切れの良い仕上がり」に繋がっていると思います。(この件に関しては、まだ化学的な根拠を私が調べ切れていません…)しかし、何度調理しても、出来ばえは非常にいいですヽ(^o^)丿

 更に、複合的な要素として、エクストラバージンオリーブオイルには抗酸化物質であるポリフェノール等が酸化を防いでくれているかもしれません。ポリフェノールは確かに熱には強くないですが、170℃加温でもそれなりに残留する事が分かっています。

 加熱しても酸化しにくく成分も残っていて、エクストラバージンオリーブオイルはまさに「畑からの贈り物」ですね。

 

エクストラバージンオリーブオイルで揚げ物なんて高すぎる?

 

 エクストラバージンオリーブオイルを揚げ物に使うのに躊躇する原因は「価格」。キャノーラ油は、1Lで400~500円程度。良質エクストラバージンオリーブオイルは、安くても250ml瓶で1,500円くらいしてしまいます。これでは、どんなに美味しくても、健康に良くても…考えてしまう方も多いでしょう。しかし、加熱に強いエクストラバージンオリーブオイルは3回くらい使いまわしが出来るし、揚げ物の後は炒め物にも使用できます。揚げ物をするときは上記の写真の様に食材が1/3浸る程度で十分に美味しくできます。当店で販売している良質エクストラバージンオリーブオイル2Lカスクであれば、更にお得です。一般的なお徳用エクストラバージンオリーブオイルは缶やペットボトルに入っていますが、封を切った時から容器内の酸素で酸化は進んでしまいます。(他の植物油でも同様に酸化は進みます。)

 カスク容器は空気を遮断し鮮度を長持ちさせますので、毎回フレッシュなエクストラバージンオリーブオイルを楽しむことが出来るのです。

(詳しくは、下記「酸化を防ぐカスク容器」を読んでくださいね)。大容量でも安心して長く使えますね(^^)v

 最後に、「揚げ物はお手頃価格のピュアオリーブオイル」と言われる方もいます。確かに、一般的な植物油よりは過熱による酸化は熱に強いオレイン酸が助けてくれます。(ちなみに、ピュアオリーブオイルと言う名称は日本だけで存在していて、国際オリーブオイル協会IOCではそのようなカテゴリーはありません。日本人は、どうも「純粋」とか「ピュア」と言う言葉に弱いですよね。) (ピュア)オリーブオイルは、生食用としては使用できないエクストラバージンオリーブオイルを精製処理して酸化物や匂いを取り除き、エクストラバージンオイルを少しだけ加えたものです。抗酸化成分が殆どなく長期保存には適していません。一般的な植物油も(ピュア)オリーブオイルも容器内の匂いを嗅いでみてください。酸化した油の匂いが鼻を刺激します( ;∀;)

エクストラバージンオリーブオイルとピュアオリーブオイルについては、別な機会に書いてみます。

 

 まずは、エクストラバージンオリーブオイルで「揚げ物」挑戦してみてくださいね。新しい味と食感の世界を楽しめると思います。

 

酸化を防ぐカスク容器>>>

 

ポテトコロッケのレシピはこちら>>>

 

エクストラバージンオイルでコロッケ

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