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エクストラバージンオリーブオイル鮮度の指標 その2

エクストラバージンオリーブオイル鮮度の指標~過酸化物

オリーブオイルしぼりたて

 

 

【過酸化物POV】

 以前のブログ「エクストラバージンオリーブオイル鮮度の指標」でPPP(ピロフェオフィチン)について私見を書きましたが、今回はもう一つのPOV(Hydroperoxide Value)について書いてみようと思います。その前に、これが日本語読みで何故「ヒドロペルオキシド」と発音する様になったのか、個人的には大きな疑問になってしまいましたが…分かりませんでした。どなたか知っている方は教えてください。英語読みだと、どうしても「ハイドロ パーオキサイド」(カタカナ英語です)となると思うのですが…。店主は長らく欧州系化学会社に勤務していましたので、HydroもPeroxideも材料の関係で会話に出てくるのですが、「ヒドロ」とか「ペルオキシド」と言う表現に出会ったことが無いのです。う~ん、なんでだろう。
 オリーブオイルの鮮度試験で実施される過酸化物測定(POV)は、meg/kgで表記されます。キログラムあたりの活性酸素をヨウ素反応でのミリ当量で測定されます。
 過酸化物指数は、品質分析におけるオイルの初期酸化状態を意味しているそうです。従って、この数値が低い程オリーブオイルの初期状態が良いと判断できます。
 オリーブオイルは空気に触れると酸化を開始します。酸化速度が速いので24時間(可能な限り)とか48時間内に搾油して空気に触れないように窒素充填をして貯蔵する事は以前にも書きました。
 この酸化は、他の油でも同じように酸素を取り入れ(OOH)過酸化物を形成していきます。これがオリーブオイルの老化現象です。この酸化物が更に酸化するとカルボニル化合物であるアルデヒドとケトンを生成します。アルデヒドはたんぱく質を蝕むので健康害ですね。このアルデヒドはオリーブオイルの酸敗の原因ともなります。
 過酸化物指数(POV)は、通常容器充填の際(ロット番号付与時)に計測されますので、オリーブオイルが製造された時からの鮮度・質を表していると言えるのではないでしょうか。
 一般的には10meg/kg以下が良質とされており、8meg/1kg以下は非常に質の良いものと言われています。上限は20meg/kgとなっております。しかし、残念なことに、この数値は消費者の目に届く事が無いので、店頭に並んでいる商品ラベルでは確認する事が出来ません。他の数値とともに輸入者に直接問い合わせるしか方法がないのが実情です。もちろん、輸送や保管環境で品質は影響を受けますので、数値が良いからと言ってお手元に届いた時の品質を100%確約するものではありませんが…。
 尚、精製されたオリーブオイルでは、このPOV数値がありません。精製の段階で酸化生成物が除去されるようです。従って、この数値が無いオリーブオイルはエクストラバージンオリーブオイルではないと言えるのではないでしょうか。
 酸化は、紫外線、温度、空気との接触で進んでいきます。オリーブオイルは光が当たらないところに保管し、開封後は出来るだけ早く消費するようにしましょう。
 ジンギリのカスク容器は、日光を遮断し空気と触れないので、安心して長く新鮮な味を楽しんでいただけます。

 

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