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店主の独り言~エクストラバージンオリーブオイルの鮮度指標

エクストラバージンオリーブオイルの鮮度指標

エクストラバージンオリーブオイル一番搾り

 

ピロフェオフィチンa (コールドプレス製法とピロフェオフィチン)

 

 オリーブオイルの表示で最近コールドプレスと言う表現を多く見かけるようになりました。

オリーブオイル一番搾りであるエクストラバージンオイル(EVOO)を作るのに高品質を保つためにとられる製法です。昔は、採取したオリーブの実を石臼でゆっくりと熱の加わらない様に時間をかけて搾油するところからPressと言う表現を使っていましたが、これでは大量のオリーブを処理するのに時間がかかりすぎてしまい、エクストラバージンオイルで言われる採取後48時間以内(ベストは24時間)の搾油は困難です。従って、石臼など古くからの搾油方法を使っているところは非常に小規模なオリーブ農園でしか現実的には可能ではありません。

 現在言われているところのコールドプレスは、オリーブの実をペーストにする工程とそれからオリーブオイル・水分を分離する工程で温度を28度未満に管理して搾油する方法をその様に呼んでいると言えます。殆どのオリーブオイル搾油工程では遠心分離機が使用されており、この工程で熱をかけると多くのオイルが短時間で採れるのですが、反面、風味や品質が劣ります。その為、搾油工程での温度管理はEVOOにとって非常に重要です。

 

酸度だけがオリーブオイル品質の指標ではない

 エクストラバージンオイル(EVOO)の国際基準は、酸度(遊離脂肪酸)が0.8%以下である事です。しかし、酸度だけに注目してしまうと、ポマースオイル(オリーブの搾りかすから溶剤で抽出した精製オイル)も酸度0.2%くらいですから、騙されてしまう事もしばしば。古いオイルの使用、ポマースオイルに風味だけ少量のEVOOを加える等、オリーブオイル品質詐称問題は年々増加している困った問題です。
 近年では、こうした問題に対応する為にEVOOの化学的試験も厳格に行われるようになりました。オリーブオイル生産で後発国であるオーストラリアは、広大な大地を利点とした大規模農園を展開し、生産量と高い品質を売り物にしようと高価な最新鋭機器の導入に力を入れるとともに、高品質の証となる化学的試験を早くから取り入れました。
 それが、PPP(ピロフェオフィチン)、ジアシルグリセロール、過酸化水素、UV吸収値などです。
 全ての試験について書きますと長くなるので、今回はPPPについて書いてみたいと思います。

 

 

オリーブオイルの年齢・鮮度を知る事の出来るピロフェオフィチンa(PPP)

 PPPテストは、オリーブオイルの分解成分を測定する鮮度試験です。
クロロフィルは葉緑素の事ですが、クロロフィルは光に当たったり(光合成)、熱が加わったりすると分解を起こし、フェオフィチンとなり、次にピロフェオフィチンに分解します。瓶の中で光合成によりオイルの酸化が進んでいると言う事です。それが「オリーブオイルは遮光性の容器に入っているのが良い」と言われる所以です。
 クロロフィルの分解は熱によっても進行していきますので、PPPの値が低い事は、加熱された精製油等が含まれていない事と判断するためにも指標になります。国際基準では、この数値が17%以下を要求されています。このPPP値ですが、オリーブオイルが適切に管理されていないと、どんどん上昇していきます。PPP値は一般的に出荷前のボトリング時にロット番号とともに検査されますが、ところによっては製造時に計測するところもあるようです。ボトリング前のタンク保管は通常窒素を充填して酸化を防ぎますが、タンクが設置されている場所の温度が適切に管理されていない場合はオイルの温度が上がり、PPP値は上昇してしまいます。こうした観点からみると、PPP値はコールドプレス製法でしっかりと温度管理されたものでは製造時に上昇する事はありません。また、ボトリングの後、輸送や商品の保管で35度を超えるようなところにあると、PPP値は急速に上昇してしまいます。長期の輸送(温度管理のされていない状態での)は極力避けなければなりません。
 PPP値は、上限が17%が指標と申し上げましたが、良質なEVOOの場合は出荷時で0.7%~3%程度です。17%との差が大きい程余力があると言えるかもしれませんね。

 

 クラヤが取り扱うフランクランドリバーオイル社のJingilli EVOOは、製造工程では28度未満に温度管理されたコールドプレス製法を採用しています。保管も室内温度が21度に管理された保管庫のタンクに収容されています。製造工程の全てはHACCPに基づいて品質管理を徹底しています。 PPPの値は、パッケージングの際にロットごとに検査され、クラヤに輸出される際には検査証書が送られてきます。
 これらは、トレーサビリティの裏付けとして地道ではありますが、大切な作業の一つです。

 

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