オリーブオイルの始まり

 

　オリーブオイルの歴史は古く、古代エジプト時代、紀元前1200年頃の第20王朝2代目ファラオ、ラムセス3世の書いたと言われるパピルスにオリーブオイルの記載があるそうです。当時は、灯火の燃料として使用されていたようです。その後、古代ギリシャへ広がり、食事や燃料として利用され、ローマ帝国時代にヨーロッパ全域に広がったとされています。古代においてオリーブオイルは、燃料から食料の味付け、ボディケア、薬などとして重宝されたようです。

 

オーストラリアでのオリーブ栽培

 

　そんな3000年以上の歴史を刻むヨーロッパに比較すると、オーストラリアにおけるオリーブオイルの歴史は僅かなものです。

 

オーストラリアの登場

 

　そもそも、オーストラリアが世界史に登場したのは、大航海時代1606年にオランダ人探検家によって発見された事。しかし、この頃の探検の目的は、香辛料や金の発見が重要で、オーストラリアは再び目立たぬ大陸となりました。次に表舞台に登場するのは、18世紀。1770年にイギリス人ジェームス・クックによって再発見され、上陸地をニューサウスウェールズと命名、流刑の地としてイギリスの植民地化が始まり、1776年に正式にイギリスの植民地となります。その後、19世紀中ごろからビクトリア州で金が発見されたことによるゴールドラッシュが始まり、人口も増えました。そして、他の植民地同様自治権を要求する争いが始まり、1901年にオーストラリア連邦が作られ、1926年に自治権が認められました。
と言う訳で、オーストラリア自体の歴史は、オリーブオイルの歴史と比較しても大変新しいものなのです

 

オーストラリアのオリーブ栽培

 

　オーストラリアのオリーブ栽培の歴史は19世紀初頭にまでさかのぼります。
”オリーブはおそらくシドニー近郊のパラマッタで1805年頃に最初に果樹園に植えられました”　とオーストラリアオリーブ協会のホームページには記載されています。その後19世紀中盤までに、オーストラリア東海岸と南オー ストラリアに広く栽培されることになります。19世紀中頃から始まるゴールドラッシュと相まって、ヨーロッパから多くの人が移民として移植し、オリーブオイルの植林もどんどん進んでいったのでしょう。

 

　西オーストラリアにおけるオリーブオイルの歴史は更に浅く、19世紀中頃に主として灯火の油として栽培されていました。西オーストラリアは、広大な面積を有していますが、そのほとんどは北部の砂漠地帯であり、鉱石やアルミなどの二次産業が中心です。南部は地中海気候に似たところもあり、土壌がローム層や石灰質でワインやオリーブの栽培に適していることが分かり、近年は高品質なワインとオリーブオイルの産地となっています。

 

 

　オーストラリアを含む南半球は、オリーブオイル製造ではまだまだと言われることがあります。しかし、数千年のハンデキャップを埋めるため、最新鋭の機械や最新の管理システムの導入と広大な土地を利用した大規模栽培により高い品質と安定した価格を実現しています。なによりも、需要が増えているヨーロッパの生産国から原料としてのオリーブオイル供給産地として発展しているところが、品質に重点を置くきっかけになったのではないでしょうか。

 

クラヤで輸入するオリーブオイル

 

 

　クラヤの扱うFrankland River Oil社のJingilliは、西オーストラリア州都パースから南に400㎞、Frankland Riverで1990年代から栽培・生産されています。土壌がトスカーナ地方と同様のローム層であったことと気候が似ていた事が、その土地でオリーブ畑を始めた大きな理由と聞きます。