店主の独り言 ー 生はちみつと糖分の話
店主は「生はちみつ」と言う表現が好きではありません。
正式には「生はちみつ」と言うカテゴリーは存在せず、正しい表現は「天然はちみつ」しかないからです。
「生」=新鮮とか、加工していないとかいう事を表現するために使われているのだろうと思います。
例えば、「生キャラメル」は、生クリームを使用した柔らかいキャラメルであって、加工していないわけではありません。「生チョコレート」も生クリームや洋酒を練りこんで柔らかくしたものです。
「生」が付けば、新鮮とか加工をしていないイメージではありますが、はちみつは「天然はちみつ」でしかありえませんと店主は思うのです。
天然の「はちみつ」は、ミツバチが一生懸命花から集めてきた蜜を蜂の巣に貯蔵し、食料として利用しています。
はちみつ自体は、蓄えられたときは水分含有が高く、これを羽によって水分を飛ばして、糖度80%を超えたあたりで蜜蓋をして保存します。
糖度80%を超えると発酵しないので、長期保存が可能になりますし、殺菌・抗菌効果が高まります。
この蜜蓋が形成されないうちに蜜を採取してしまうと水分が多く、糖度を上げるために過熱をして無理やり発酵しないレベルの蜂蜜にする、これが国内で言うところの「純粋はちみつ」です。
勿論、蜜蓋が形成されていなくとも80%糖度になっている場合もあります。
その観点から言うと、正しく全てのはちみつになる過程をミツバチによって製造され、巣蜜を遠心分離機を使い常温でろ過したものが「天然はちみつ」です。
ちなみに、天然はちみつの規定では、輸入はちみつは水分20%未満、国産で22%未満となっています。
日本は、はちみつの自給率が低いので、国産はちみつには少し優遇があります。
はちみつにおける主成分は、ブドウ糖、果糖、その他のミネラルやビタミンに大きく分かれます。
ブドウ糖・果糖は、花蜜であるショ糖をミツバチの酵素で体内にて変化させたものです。
一方で、体力を消耗したミツバチに栄養補給として人工的なショ糖を与える事を許された国もあります。
ニュージーランドもその一つです。
与えられたショ糖は消化されずにはちみつに出る事が多いので、検査の時に「ショ糖」として顕著に表れます。
天然はちみつの定義では、ショ糖成分は5%以下とされていますので、それ以上では「天然はちみつ」とは言えなくなってしまいます。
店主は以前ニュージーランドの知人からマヌカハニーを輸入しようと試みたことがありましたが、ショ糖レベルが7%あり、なぜそんなに高いかを聞いたところ、「ニュージーランドでは、ショ糖を与える事を許可されている」と言う回答でした。
その時、マヌカハニーの輸入を断念したのですが、後から調べると、「ニュージーランド産蜂蜜に関しては、ニュージーランド農林省発行の証明書があれば良い」とありましたので、もしかしたら、この辺が抜け道なのか?と思ってしまいました。
その後、ニュージーランドでは除草剤が発覚してしまったり、そもそものマヌカ疑惑(生産量より輸出量が圧倒的に多い)があったりで、ニュージーランド産はちみつを扱う事をやめてしまいました。
当店が扱う西豪州とギリシャの蜂蜜は、ショ糖レベルが1%あるかないかです。
自然の中で自然に採取され貯蔵されたはちみつとは、そういうものです。
天然はちみつは、基本的に結晶化します。これは、ブドウ糖を多く含むはちみつで顕著にでます。
フルクトース(果糖)が高いはちみつは、結晶化しにくいです。それから、花粉が多く含まれていたりしても同様に結晶化が早く進むことが言われています。
結晶化自体は、はちみつの品質に何ら問題を生じるものでもなく、最近では結晶化するのが本物のはちみつだ!とおっしゃるむきも多いようですが、前述の通り、結晶化しやすいかどうかは成分で変わってきます。
西豪州産ジャラハニーはフルクトース含有が高く、非常に結晶化しにくいはちみつです。
はちみつを調べだすと奥が深いです。
西オーストラリア・ギリシャ から「おいしい」を直送|株式会社クラヤ
株式会社クラヤ Olive Oil & Honey
「あなたの世界を彩る一品を」をコンセプトに、西オーストラリア・ギリシャから「おいしい」を直送しております。コールドプレス製法で作られるエクストラバージンオリーブオイルや希少はちみつと言われるジャラハニーをはじめ、世界40か国を訪れた店主が、実際に目で見て、心で感じた大自然の豊かな恵みを是非お楽しみください。
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