Jingilli(ジンギリ)について
Frankland River Olive 社のオーナは、イタリアトスーカナから移 住して 5代目。 1990 年代に西豪州南部で全く手つかずの Frankland River 地区でオリーブの植林を始めました。
この地方は、保湿性が高いローム土壌で、気候は涼しく古郷トスカーナと同じような環境でした。現在は、レッチーノとフラントイオを10万本以上丹精込めて育てています。この南の畑からJingilli(ジンギリ)エクストラバージンオリーブオイル(EVOO)が生まれます。収穫の時期は北半球と全く逆の7月頃です。この豊かな自然の中、広大なオリーブ農園でトスカーナの味を引き継いで、繊細でまろやかな味をブレンディングしています。
2005年には、パースの北に位置するやや温暖なMoor River地区に、主としてスペイン原産のピクアルとイスラエル原産のバルネアを16万本育てています。こちらの畑の収穫は4月頃に始まり、主にオリーブオイルの原料としてヨーロッパなどに輸出しています。
シングルエステート【食の安全】
最近日本でも時々耳にする様になった「シングルエステート」(単一農場生産)。
オリーブオイルの瓶に表示されている「原産地」は、オリーブオイルが生まれた国ではありません。表示上の「原産地」は、最終的にオイルが「瓶詰された国」です。すなわち、どこで育ったオリーブの実か、搾られたオイルかではなく、最後に瓶詰された国名が記載されているのです。多種多様なオリーブオイルをブレンディングする事は必ずしも悪い事ばかりではありません。オリーブオイルはワインと同様にその年の気候等の影響で出来ばえが違います。色々な国のオイルをブレンドする事は、一定範囲の味を定量的に毎年供給できると言う良さがあります。他方で、私たちの「食」で品質と安心を約束してくれる「トレーサビリティ」と言う観点からは、難しい問題を抱えてしまいます。
フランクランドリバー社の「Jingilli」は、オリーブの栽培から瓶詰を含むオリーブオイルの製造までを手掛ける「シングルエステート」です。
更に、欧米では主流となっているHACCP(ハサップ=食品を製造する際に工程上の危害を起こす要因を分析し、それを最も効率よく管理できる必須管理点を連続的に管理して安全を確保する管理手法)をいち早く導入し、「食」の安全性を守っています。
バランスこそが美味しさの基本
ジンギリを奏でるオリーブ種はトスカーナ・オーソドックスのフラントイオとレッチーノ。フラントイオは、単一では辛みが強いですが、フルーティなレッチーノとブレンドする事で爽やかな口当たりの後にピリッと来る力強さがあります。カスクの蛇口から注ぎだしたときに広がる爽やかなオリーブの香り、さっぱりとした青さの後に喉越しに新鮮なオリーブオイルの証「辛み」を心地よく感じます。
コーヒーやビールも、苦みや喉越しの刺激を美味しく感じる飲み物ですが、これは、甘味、辛み(本来辛みと言う味覚は無く、痛みを辛みと感じるものです)、苦みを美味しく感じるバランスによるものです。オリーブオイルも同様に、苦みや辛みが突出してしまっては、食べ物としてのおいしさを感じることが出来ません。
ジンギリは、同社専任のブレンダーがまろやかな口当たりに仄かな辛みを演出する様にバランスよくブレンドしています。
品質【取れたてのオリーブをすぐさまコールドプレスで】
ジンギリは、採れたてのオリーブの実を畑敷地内にある工場ですぐさまコールドプレス製法で搾油した高品質なEVOOです。
ジンギリの高品質な裏付として、酸度は、国際的基準値0.8%と比較して0.1~0.4%と良質です(収穫年で多少違いがあります)。これに加えオーストラリアは、鮮度の指標となる1,2ジアシルグリセロール、デルタK、K232,K268、過酸化物及びピロフェオフィチン(PPP)等の数値測定実施を世界に提言しており、生産されたオリーブオイルは出荷ごとに各数値を厳密に検査されます。
ジアシルグリセロール(DAG)は、総DAGに対する1,2 DAGの比率が、オリーブ果実の品質と加工の良い指標になります。PPPテストでは、オリーブオイル中のクロロフィル(葉緑素)の分解生成物を測定します。葉緑素の破壊は経年や温度管理によって変化します。出荷されるときにこの数値が高かったり、遮光性のない容器や30℃を超えるようなところに保存されてしまうと、劣化が急速に進みます。
ジンギリは、生産工程・貯蔵の管理を徹底するだけではなく、カスク容器によって、遮光性と酸化防止を最大限活かしています。
カスク容器について【酸化を防いで、鮮度が長持ち】
2ℓも入っていて使用途中でオリーブオイルが劣化しない?とご心配になるかもしれません。でも、大丈夫。ジンギリはカスク容器に守られて、空気と紫外線を遮断。フレッシュな味が長続きします。
箱の中にアルミ内袋をもった包装形態をカスクと言います。元々はオーストラリア人がボックスワインとしてワインの酸化を防ぐために発明したものです。取り出しには気密性に優れたバルブ(蛇口)が付けられており、取り出した分量だけ内袋が萎むのでオリーブオイルの天敵「空気」との接触を格段に防ぎ酸化を防止します。瓶や缶の場合は、開封後はどんどん空気に触れますので、容量が大きくなればなるほど、オリーブオイルには劣化の危険性が増えてしまいます。
カスク容器なら、毎回オリーブオイルを抽出するたびに新鮮なオリーブの香りを楽しむことが出来ます。
外側は硬質紙を使用していて遮光性にも優れ、形状も四角く(外寸:145x85×225㎜)、2ℓと大容量であっても収納の場所を取りません。廃棄する際、パッケージをコンパクトに折りたためるので環境にも優しいです。
250ml瓶の場合、瓶だけで重量が200g、総量427gもあります。(ジンギリ250ml瓶計測) カスク容器では、容器自体はわずか143g、総量でも1,963gしかありません。
軽量化とコンパクトなパッケージによって輸送費を含めた余分なコストを削減する事で、良質なエクストラバージンオイルを低価格で提供する事を可能にしました。